時計のオーバーホール


時計の部品は小さな金属の集まりです。車と同じで定期的にメンテナンスをしてあげる必要があります。

時計のオーバーホールとは?

車の車検と同じように定期的に清掃や注油を行うことです

古いアンティーク時計は、ほとんど全ての部品が金属でできています。
そのため、車などと同じように、安全にそして正しく動き続けるために、定期的に清掃や注油といったサービスを受けていただく必要があります。
これをオーバーホールといいます。
オーバーホールでは、各部品の洗浄・清掃を行い、必要な部分に必要な油を注ぎ各部分の動きを滑らかにし、必要であれば外装の補修なども行います。
作業をする時計職人

時計をお持ちの方の中には、オーバーホールをご存じで無い方もいらっしゃるのではないでしょうか。
デジタル時計が主流になって以降、手巻き時計などの機械式時計をお使いになられたことが無い場合は、時計にそのようなメンテナンスが必要なこともあまり知られなくなりました。
機械仕掛けで動く時計にとって、オーバーホールは必要不可欠なものです。

オーバーホールを行わないと

長期的に悪影響を及ぼします

オーバーホールを定期的に受けていないからといって、時計がすぐに止まってしまったり壊れてしまうことはありません。
ただ、小さな金属の部品をかみ合わせて動いているため、油切れを起こすことで部品にはゆっくりと磨耗が起こり、ホコリや錆びなどの影響でも動作不良になったり、最悪の場合は動かなくなってしまうこともあります。
外観がきれいだから・ちゃんと動いているからと、オーバーホールを受けていないと、突然誤差が生じ始めたり動かなくなってしまうことがあります。
見えないところで部品が磨耗しきってしまったり、錆びなどで腐食してしまうと、アンティーク時計の場合は特に、替えの部品がみつからない・部品代が高額になってしまう、最悪の場合は修理ができないことがあります。

時計の中の穴石

【 古い懐中時計の作業前と作業後の写真 】

オーバーホールの間隔

当店では、3年に一度のオーバーホールを受けていただくことをお勧めしています。
オーバーホールを受けなくてもすぐに壊れることはありませんが、定期的にオーバーホールを受けていただくことで、時計は確実に長持ちします。

ただ車の車検のように決まり事ではありませんので、「お持ちの時計をどれだけ長持ちさせたいのか」=「どのくらいの頻度でオーバーホールを受けていただくのか」をご判断いただくことになります。
5年・10年と間が空いてしまっても、すぐに故障するわけではありません。
ただし間隔が空けばあくほど、部品の摩耗や錆などの進行の確認ができず、状態の悪化が進んでしまうことがあります。

オーバーホールと修理は別?

ある意味で同じところもあります

「オーバーホール」は、時計の定期的な点検と掃除です。
それに比べると、「修理」という言葉は、誤動作や動かないなど、時計に問題が起こってから受けるものという感覚ではないでしょうか。

しかしながら、時計が動かない理由にはいろいろとあって、長年使われていなかったために油が固まっている・衝撃や磁気などが原因で動かなかったり誤動作する場合もあります。
これらのように症状が軽微で簡単に修復できるもの・部品に問題が無い場合は、いわゆる「オーバーホール」という通常の工程で、動かしてあげることができる場合もあります。
部品を交換するような、明らかに「修理」という場合もありますが、基本的には、改めて時計を組み直す際には、大なり小なり小さな修理や矯正がありますので、オーバーホールであっても修理という側面も併せ持っています。


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